宝塚歌劇の美学を学びましょう!

音月 桂 語録 -新人公演『青い鳥を捜して』(本役:轟悠)を演じて


ミュージカル・プレイ『青い鳥を捜して』

雪組宝塚大劇場 新人公演『青い鳥を捜して』(本役:轟悠)を演じて

私が演じさせて頂くジェイクは、真面目で四角い感じのイメージですので、まずは硬い性格の人物に創っていこうと考えました。

私自身とは全く違う性格だと感じますが、ジェイク役を演じることで、自分の中に新たな引き出しを増やすことが出来ればと思いますし、鳳凰希演じる弟のフィンセントとは対照的な性格ですから、その兄弟の差をはっきりと表現したいです。
本役の轟さんがとても自然なお芝居をされるのを拝見して、私も少しでも近づくことが出来ればと思っています。

全体にコメディの要素の強いお芝居だと感じますが、その中に真面目な部分や心温まる場面がありますので、メリハリをつけて演じられるようにしたいですね。

(中略)

学年が上がるにつれて、失敗できないという舞台の怖さやプレッシャーも感じているのですが、私にとって最後の新人公演ですので、失敗を恐れずに思いっきり演じたいです。
舞台に立つことが好きで宝塚に入ったという気持ちを忘れず、楽しんで演じられたらと・・・。

雪組新人公演プログラム(宝塚大劇場)『青い鳥を捜して』より


最後の新人公演主演、新人公演の長として、支えてくれている下級生の力に感謝しながら、本役の轟悠から「日本人に見えないように、アメリカ人であることを意識した身振り手振りを」というアドバイスを生かし、外見も内見もプレイボーイらしい演技に挑戦。さて、この公演の評価は?

終始笑わせておいて、突然、客席をしんみりさせる展開がまさに難関。ジェイク(本役・轟悠)が、強弱めまぐるしく変化する心の揺れを演じ分けるところが難しい。
轟であった初めて納得の成熟の味わいが出るが、音月桂が少しも怯まず、堂々とジェイクに挑んださまが見事である。

すでに本公演でも主要役を演じ続け、新人公演主役は卒業する今回で5度目。銀橋上での所作万端にも余裕さえ感じさせる。

弟のフィンセント(本役・朝海ひかる)が上背で勝る凰希かなめだったが、セリフ、物腰で兄の貫禄を見せつけた雰囲気が並ではない。実践で鍛錬した強みだろう。
本来、端正な顔立ちからは意外感のする濃い口のセリフ回しと物腰が音月の個性だから、濃厚な芝居力では同質の轟が演じた役を十分、咀嚼していた。(抜粋)評:石井啓夫氏

2005年(平成17年)歌劇1月号

この『青い鳥を捜して』は、2004年11月30日宝塚大劇場で公演。この『青い鳥を捜して』は、2004年11月30日宝塚大劇場で公演。本公演では、轟悠相手にKEIさんは娘役を演じます。しかしながら、その役は黒帯をもっていて、腹筋が六個に分かれている男勝りの女性役です。

新人公演を5回も経験し、余裕が出てきたKEIさんは、目の前のことに追われなくなった分、自分の個性や目指すものを具体的に模索はじめた時期に入り始めたようですね。


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