宝塚歌劇の美学を学びましょう!

音月 桂 語録 -新人公演『Romance de Paris』 シュバリエを演じて



ミュージカル・プレイ『Romance de Paris』

『Romance de Paris』新人公演 ヴァンサン・シュバリエ(本役:朝海ひかる)を演じて

新人公演で主演をさせて頂くのは今回で3回目という事もあり、大劇場のお稽古中は、お客様も前回以上に成長した舞台を期待していらっしゃるのではないかとプレッシャーを感じていました。

本番はそのプレッシューを感じる暇もなく、役割りについて消化できないまま、未完成の状態で突っ走ってしまったという感があります。

ただ、、自分の中で消化しきれなかった分、場面ごとにきちんと相手と向き合い、周りの雰囲気を捉えようと一生懸命アンテナを張って演じることができたのかもしれません。

それがこの作品に必要なナチュラルなお芝居を心がけるということに少しは繋がったのではないかと思っています。

東京公演でも大劇場で感じたことを一つ一つ大切に、自然体で演じることを心がけたいと思っています。

(中略)

今回改めて、一つの役柄を演じる上でもっと自分自身の色をきちんと見つけて表現していくことが大切だと思いました。

この作品を通じて自分のカラーを見い出しつつ、私なりのヴァンサンを演じることができるように頑張ります。

雪組新人公演プログラム(東京宝塚劇場)『Romance de Paris』

三回目の新人公演主演、新人ゆえに自分の台詞回しなどに気をとられがちだったKEIさんは進化して、周りの空気や細かい反応にも意識が向き、より自然な演技に近づいたようです。この公演の評価は?

今回が三度目の新人公演主演となる音月桂は、バウホール主演「ホップ スコッチ」「恋天狗」でも主役を演じているだけに、舞台中央に立つ姿にはやはり余裕が感じられる。
スーツをまとっての身のこなしもスタイリッシュでカッコよく、男役の色気や華も少し増してきたのではないだろうか。

ヴァンサンは一見クールでニヒルなプレイボーイ。だが、ヴァンサンに石油会社・アラカト社の経営参加を望んでいた父親の死や、アッパス国王の息女・ナディアとの出会いによって、彼の中で眠っていた情熱や反骨心などの感情が揺り起こされていく。

そんな主人公の心の動きを、音月は丁寧に映し出したと言える。
中でも亡くなった父と十分に語り合えなかったことを悔いる思いや辛い心情を、銀橋でのソロできっちりと描いているのがいい。

その父親と懇意だったアッパス国王の国で起こったクーデター。そして事件の首謀者にアラカト社が資金援助しているという2つの問題解決に敢然と立ち向かうヴァンサンを、力のこもった歌唱と安定感のある演技で表現している。

(中略)

課題は、帰国したナディアからの招待状をヴァンサンが反故する終幕だろう。愛情の念を抱きながらも、相手の立場を慮って自分から去って行く。そんな成熟した男の美学を浮かび上がらせるまでに至らなかったのが残念だ。

新人公演評(板東亜矢子氏):2003年(平成15年)歌劇11月号(抜粋)

この『Romance de Paris』の新人公演は2003年9月9日、宝塚大劇場で公演。本公演では、クラブ・アラベスクの店員でトップダンサーのディミトリという配役で少し軽い性格でありながら、実はしっかりとした青年を演じました。

三回目の新人公演主演では、KEIさんは器用ゆえに多少の迷いはあっても舞台上でのゆとりが少し出てきたようです。その相乗効果でしょうか。歌にも良い影響を与えたようで、歌唱にも高い評価を得ることができたようです。


この記事を書いた人

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

Translate »