宝塚歌劇の美学を学びましょう!

音月 桂 語録 -新人公演『追憶のバルセロナ』 ロベルトを演じて

ミュージカル・ロマン『追憶のバルセロナ』

雪組新人公演インタビュー『追憶のバルセロナ』 ロベルト(本役:朝海ひかる)を演じて

これまで気持ちを前面に出す役が多かったのですが、今回は内に激しい感情を秘めたながらも、それを表面に出さない役であり、様々な思いを凝縮した芝居というのがとても難しかったです。

私は下手をすると歌舞伎のような見せ過ぎる芝居をしてしまう面があり、児玉先生からも、もっと自然に演じるよう、普段の会話からそれを意識してみたらどうだろうか等といったアドバイスを頂きました。

また、ロベルトは物事を何でも冷静に見ているような所があるので、ダンスシーンもそのようにクールに踊った方が良いのではないかと考えていました。
けれど、ジプシーには熱い血が流れていて、踊りや歌で様々な思いを発散するものであると思い、本番では身体の中から湧いてくるようなリズム感を意識し、気持ちを切り替えて踊ってみました。

(中略)

今までと全く違うやり方で役創っていったため、私の中では最後まで本当にこれで良いのだろうかという思いがありました。東京では役をしっかり自分のものに出来るよう、大劇場で感じた気持ちを忘れずに、頑張っていきたいです。

2002年(平成14年)宝塚GRAPH9月号 雪組新人公演インタビュー

またしても新しいアプローチ、この挑戦の評価はどうだったのだろうか?

プロローグでのフラメンコなど、全編にちりばめられたダンスシーンがこの役の大きな見せ場となっている。
幕開きから音月は、色気漂うダンスを繰り広げる。甘さの中に艶がある魅力的なダンサーぶりだ。

ジプシーにしては野性味が薄く、歌声にももう少し力強さが欲しいところだが、愛する人をフランス軍に殺された過去の痛みからフランシスコと共に戦う人物を、どこか陰がある冷静でいて熱い血潮の流れる男として描き出している。

新人公演評(板東亜矢子氏):2002年(平成14年)歌劇8月号(抜粋)

この『追憶のバルセロナ』の新人公演は2002年6月25日、宝塚大劇場で公演。本公演では、フェイホオ役の三枚目的要素のある役柄に懸命に取り組みます。

本人はニューヨークに行ったことがないはずなのに、ステージでは、「ニューヨークってこんなに素敵な街だよ」と活気のあるタップダンスを披露。この前向きさと明るさもKEIさんの魅力の一つですよね。

大劇場での新人公演では、激しく踊った後の歌では、息が上がってしまい、東京公演までには、それを克服できるよう稽古に励んだということです。出来なかったことを出来るまで練習する”がんばり屋さん”の姿が見えますね。


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