宝塚歌劇の美学を学びましょう!

音月 桂 語録 -新人公演『愛燃える』 范蠡(はんれい)を演じて

宝塚ロマン 「愛 燃える」 公演案内

雪組新人公演インタビュー『愛燃える』新人公演 范蠡(本役:絵麻緒ゆう)を演じて

范蠡(はんれい)とういう役は、人によって何通りもの取り方が出来る役だと思うのですが、まず西施(せいし)のことを好きなのかどうでないのかというところで大きく変わってくると思うんです。

そこで私の中では、西施よりもまず第一に国のことを考えている人間なのだ、という方向で役を作っていきました。
ですが、実際に「愛してる」という台詞もあり、私の思う范蠡らしさがなかなか思うように表現することができませんでした。

ただ、稽古をしていく段階で色々とアイデアが涌き、毎日工夫して演じることがとてもおもしろかったので、その点は自分のプラスになったのではと思います。

また、前回は主役だったこともあり、無我夢中で突っ走っていた部分もあったのですが、今回は少しだけ余裕を持って様々なことに取り組みことができました。(以下略)

2002年(平成14年)宝塚GRAPH1月号

さて、この役作りへ挑戦の評価はどうだったのだろうか?

本公演では、西施が自分を慕っていることを知りながら、国を思い彼女にスパイ的な役割を担わせる颯爽な知略家に描かれている。
が、音月の描き出した范蠡はまるで別人。西施の自分への好意を利用し、計略を成功させようと企む非情な野心家として、悪の匂いを盛り込んだのが面白い。この独自の解釈による役作りは高く評価したい点である。

外見はあくまでも甘い二枚目で、華があり、歌声も伸びやか。時には愁いを帯びた微笑を浮かべ、時には腹に一物持ったニヒルな笑みを見せるなど、豊かな表情が目をひきつける。おそらく今一番の成長株ではないだろうか。今後が楽しみな存在だ。

新人公演評(板東亜矢子氏):2001年(平成13年)歌劇12月号

この『愛燃える』の新人公演は2001年10月23日、宝塚大劇場で公演。前回の新人公演『猛き黄金の国』では下級生ながら主役を演じたが、今回は主役の壮一帆を盛り上げるべく全力投球。

KEIさんが、舞台で役を演じる楽しさを感じはじめ、独自の役作りという新人らしからぬ大胆な試みをスタートさせたのがわかります。

そして、本公演ではバラの三銃士のひとり(伍友)の役を後のトップスターとなる朝海ひかる、貴城けいの上級生の間に挟まり、演じることに。しかし、物怖じすることなく、先輩たちの胸を借りて楽しく演じることが出来たようです。

「頑張っているね!」と声を掛けたくなる頃ですね。


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