稀代のプレイボーイといわれている、ジャコモ・カサノヴァは、18世紀の水上都市ヴェネツィアに生まれる。
両親はともに俳優、カサノヴァ自身も容姿端麗で、おまけに約190センチの長身と、体格にも恵まれていたカサノバは、名門パドヴァ大学で学び、法学博士の学位を取得したほか、化学、数学、医学、歴史、哲学、文学、占星術に錬金術など、いろいろなことを学ぶ。
当時のヨーロッパは、ロココ文化が隆盛を極めており、社交の場としてのサロン文化が発展。カサノヴァは舞踏、剣術、乗馬、射撃をマスターし、「ド・サンガル」という由緒ありそうな響きの騎士名を名乗って、貴族の仲間入りをします。博識とユーモア溢れる話術で人脈を巧みに広げ、様々な権力者と繋がることに成功する。
フランス国王ルイ15世の公妾、ポンパドゥール夫人をはじめとして、プロイセン王フリードリヒ2世やロシア女帝エカテリーナ2世、ローマ教皇など、ヨーロッパ諸国の統治者・権力者や識者たちと、そして晩年には歌劇の台本作家、ロレンツォ・ダ・ポンテと知り合い、彼の代表作の一つ「ドン・ジョバンニ」のモデルになると同時に、執筆にも協力したという話もあります。またその作品に曲を書いたヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトとも面識があったそうです。
カサノヴァはこの豊かな人脈のなかで、特定の職業には就かず、趣味でも楽しむように、様々な仕事を経験しました。作家、詩人、冒険家、哲学者、法律家、歴史学者、聖職者、薬剤師、兵士、バイオリニスト、マジシャン、政治家、外交官、スパイ、賭博師 ……と、まるで何人もの人生を見ているようです。
数々の女性と浮名を流し、ヴェネツィアの風紀を乱した罪で「鉛屋根の監獄」に投獄されたカサノヴァは周到な計画を立て、見事脱獄を果たす!!
その日は、ヴェネツィアはカーニヴァルの日を迎え、その人混みに乗じて逃亡を試みるものの、脱獄したカサノヴァがカーニヴァルに紛れている事に気がついた街の女達がこぞって彼を助けようとしたことにより、大騒動に!
その騒動のなか、カサノヴァは一人の女性と偶然に出会う。その彼女はヴェネツィア総督の姪、ベアトリーチェ。修道院での行儀見習いを終えたばかりという彼女との出会いが、カサノヴァの運命を大きく揺り動かして行く。
理想の愛を求め、さまよい続けるプレイボーイのカサノヴァが最後に辿り着くところとは?
水上都市ヴェネツィアを舞台に、カサノヴァの新たな冒険が今、幕を開ける……!!
様々な貌(かお)を持つカサノヴァが辿った彼の数奇な人生を基に、愛と夢に彩られた冒険を『太陽王』『1789』『アーサー王伝説』などを手がけたドーヴ・アチア氏書き下ろしの楽曲と共にオリジナル・ストーリーで綴るスペクタクル・ミュージカル大作、花組らしい華麗な舞台がストーリーを盛り上げます。
【公演期間】
宝塚大劇場:2019年2月8日(金)〜3月11日(月)
東京宝塚劇場:2019年3月29日(金)〜4月28日(日)