【子どもブック】「ぞうさん」の詩人 まど・みちおが残したもの

【子どもブック】「ぞうさん」の詩人 まど・みちおが残したもの

どんな小さなものでもみつめていると宇宙につながっている―詩人まど・みちお100歳の言葉
詩人まど・みちお100歳の言葉

 

詩人のまど・みちおさんが2月28日、他界いたしました。

104歳の天寿、ご冥福をお祈りいたします。

 

1994年に児童文学のノーベル賞といわれる 国際アンデルセン賞・作家賞を日本人で初受賞。

童謡「ぞうさん」や「やぎさん ゆうびん」などで有名ですが、

詩集には、けずれるだけ削った「ひらがな」の言葉で 命の貴さをうたいあげています。

やさしい言葉だけど、深い意味。

そして、口ずさめば、その心地よいリズムで

やさしい言葉がジワリと心に染みこみ、 やさしい気持ちになることができます。

いつしか純粋さを忘れて曇りがちな大人にも特効薬になるかもしれません。

 

ところで、童謡「ぞうさん」の歌詞の意味はご存じでしょうか?

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ぞうさん ぞうさん おはなが ながいのね

そうよ かあさんも ながいのよ

ぞうさん ぞうさん だあれが すきなの

あのね かあさんが すきなのよ

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こちらが、 まど・みちおさんの解説です。

ぞうの子は、鼻が長いねと悪口を言われた時に、

しょげたり腹を立てたりする代わりに、 一番好きな母さんも長いのよと、誇りを持って答えた。

それは、ぞうがぞうとして生かされていることが、

すばらしいと思っているからです。

だから この歌は、ぞうに生まれてうれしいぞうの歌、 と思われたがっているでしょう。

目の色が違うから、肌の色が違うから、すばらしい。 違うから、仲良くしようということです。

百歳を越えても、書き続けた聡明な詩人のこころに、今の世はどんな風に写ったのでしょうか?

この偉大な詩人が私たちに残してくれた言葉をもう一度、噛みしめたいものです。

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